今話題!糖尿病対策に水出し番茶!

注目の成分「ポリサッカライド」
 お茶には様々な効能があるといわれています。
血圧上昇抑制、抗アレルギー、抗菌、抗ウィルス、コレステロール低下、虫歯予防、抗がんなどが明らかにされています。これらはいずれも茶の成分であるカテキンやポリフェノール類の抗酸化作用によるものと考えられています。
 今注目されているのはこれとは全く別の成分、多糖類(ポリサッカライド)による血糖降下作用です。
「糖尿病」って?
日本では国民の約1割が糖尿病あるいはその予備軍といわれています。
糖尿病は初期の段階では自覚症状がないので、気づいたらすでに合併症(腎不全、緑内障、知覚障害など)を起こして取り返しの付かない場合の多い怖い病気です。
有効なお茶の種類と入れ方
 玉露、煎茶、番茶、抹茶、紅茶の5種類のお茶で@冷浸(5度以下を目安になるべく温度が上がらないように処理)A温浸(40〜50度のぬるま湯)B熱浸(80度以上)という3つの抽出条件で実験が行われました。
 もっとも血糖降下作用が認められたのは番茶を冷浸したものでした。
番茶の冷浸では血糖減少率39.8%、次いで玉露の冷浸が34.6%、煎茶の冷浸31.7%でした。
逆に熱浸の結果は紅茶28.3%、煎茶28.1%、玉露28%、番茶24.4%と、高い熱を加えると有効成分が低いという結果になりました。
つまり高い血糖降下作用を示す「ポリサッカライド」という成分は高い温度で抽出すると変化してしまうため、冷水でじっくり抽出することが必要です。
番茶とは?
 番茶の定義は大変広く、簡単に言うと一番茶(新茶)、二番茶(6月下旬頃以降)以外の茶をさします。(二番茶を番茶と呼ぶこともあります)
もともとは晩くとった葉で作る茶を番茶と呼んでいましたが、製茶技術の発展に伴って下級煎茶一般を指すようになりました。仕上げの段階で選別された硬葉、古葉を含めていうことが多い。呼び名も様々で、青柳、川柳、秋冬番茶、刈り落番茶ともいます。
 たていし園にも番茶は数種類あります。水出しにおすすめの番茶は当園では「青柳」という煎茶より少し大きめの葉のお茶です。お茶の色も少し黄色っぽいです。
  「青柳」300円/150g
毎日継続で健康づくり
 番茶(当園では青柳)は新茶と異なり、十分な陽光を受けたために多糖類を初めとする有効成分をたっぷり含んでいます。この番茶を水で出してください。目安として茶葉25g(格好多めです)を水約700〜800ミリリットルにいれ、少し振ってから冷蔵庫で一晩寝かせ、翌日茶漉しでこしたものを、何回かに分けて1日で飲みきってください。
糖尿病と診断された方は、かかりつけの専門医に相談しながら、根気よく、長く続けることが何より大切です。
 毎日の健康づくりをいっぱいのお茶から始めましょう。

参考資料 東洋健康文庫 ポリサッカライド
       清水 岑夫